効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電の耐久性

欧州の風力発電は洋上に設置されるものが急激に増えつつあり、この場合、一基当たりの発電出力は8メガワット前後の大きなものとなる。一度設置すれば場所を移動させることは不可能に近いので、タービン、回転駆動、発電、それぞれに最適の組み合わせがなされて、致命的な故障が起きないように作られなければならない。それぞれの部分は幾つものメーカーで作られたものを組み合わせて製造されるために、相互の適合性を一致させる必要性がこれまでより高まっているという。そのためABBなどの最終製品納入業者では、いろいろなシミュレーションを行って、その情報をそれぞれのパーツメーカーに示して摺り合わせがうまく行くようにしているという。日本ではまだ洋上風力発電は実証段階だが、陸上風力についても風の吹き方が複雑なために重大事故を起こすものがあるようだ。これに対応する動きとして、日立製作所九州大学などは、日本の複雑な地形に適した新しい風力発電用風車の共同研究に着手すると報じられている。鹿児島県で稼働中の風力発電所を使い、九大が購入したスーパーコンピューターで、上昇気流などが起こす風の乱れが風車の強度に与える影響を解析する。風力発電機で国内最大手の日立は乱流に強く、安全な風車の開発に活用する計画だ。この結果得られる情報は案外欧州の設備にも重要な解決策を示すものとなる可能性がある。日本でもこれからは洋上風力発電だと考えられるのだから、競争と同時に欧州との協力を進める必要があるように思える。