日本では家庭用の燃料電池が商品化され、普及が促進されているが、事業用規模のものは登場していなかった。だが、このほど、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が12月4日、固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービンを組み合わせた複合発電システムを九州大学から受注したと発表している。出力は250キロワット級だが、これを複数基変電所などに設置すれば、電力の需給バランスをとるのに効果的かもしれない。初号機は東京ガスで2013年から実証運転が行われていることは前に述べたことがあるが、同大学は、産業用の燃料電池システム実証機として、2015年春に実証運転を始める予定だという。この規模のSOFCユニットは米国のブルームエナジー社のものをソフトバンクが導入しているが、今回発表されたものが、これと対抗して商品化されるだけのコストダウンと耐久性を持つものになっていることを期待している。ここで使われるマイクロガスタービンはトヨタタービンアンドシステム社のものであり、セルスタックは6月に業務提携した日本特殊陶業と量産化に向けた検討を進めるとのことだ。