効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LEDへの直流給電

何度かここで書いているが、LED(発光ダイオード)は直流で作動する半導体が光源となっているから、交流を直流に変換して駆動するよりも、変換なしで直流駆動ができれば、本体の高効率であることに加えて、変換損失がなくなるだけ消費効率は上がる。しかし、電気機器は全て交流が供給されることを前提に設計されているために、LED照明設備にも交流を供給するのが当然のようになっている。特に、スーパーなど大量に照明設備があるところがLED照明に変換する時でも、直流は採用されていないはずだ。新たに直流供給の電線を設置するのと、まだ市場商品がない交直変換装置のコストがかかるためだろう。また、直流供給のスイッチなどの規格や安全規準が定まっていないことも理由かもしれない。ところが、戸田建設が、同社筑波技術研究所内に直流給電システムを導入したと発表した。太陽光パネルで発電した直流の電気を、LED照明や携帯電話の充電装置にそのまま供給するシステムで、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化技術のひとつとして開発したものだという。電力変換ロスが少ないため、導入により従来比約10%の省エネを実現でき、再生可能エネルギーのさらなる有効活用につながるとしている。興和と東京整流器との共同開発。多分直流電圧変換は行っているはずだが、この変換損失は非常に小さいと聞く。病院などのように照明負荷が大きいところがこのシステムを導入すれば、当初の投資額は大きく見えるが、数年で投資は回収できるはずだ。医療機器の多くも本体内部では直流駆動だ。しかも、LEDの発光に高周波を同期させれば、モーションセンサーや温度センサーなどのデータを送る通信網としても使える。このような複合システムを開発することが、電力消費の抑制には絶対必要だと確信している。