効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

基礎に入ったヒビ

住宅の基礎に入ったヒビは、手当をしなければどんどん拡がっていき、いずれは建物にも影響し、住めなくなる。気候変動はこれに似ているという表現をスペインの専門家がしている。そして、その住宅の住人はどこかへ移らなければならないが、建物の場合、高くはつくだろうが移住は可能だ。しかし、それを地球だと考えれば、そこに住む人類は移住するところがない、と言っている。誰もが地球の基礎にヒビが入り始めていることを理解し始めているが、誰に責任があって、誰がそのケアをするかについて合意が得られていないとしている。なるほどという感じだ。一方地球をとりまくオゾン層を破壊するとしてモントリオール議定書で製造が禁止された四塩化炭素という化学物質が、現在も未知の放出源から大気中に出ている可能性があると、米航空宇宙局(NASA)の研究チームが20日発表したという報道を見て、気候変動についてもいずれは同じようなことがあるかもしれないと感じた。四塩化炭素はかつてドライクリーニングの溶剤や消火剤として広く使われたが1996年以降に全廃となり、加盟国による2007〜12年の排出量はゼロになったとされる。だがチームが大気データを調べると、ピーク時の30%近い3万9千トンが毎年放出されていた。予期せぬ発見にチームは「何らかの工業生産過程で漏れ出るなど未知の放出源が存在する可能性がある」と指摘している。大気中の四塩化炭素は太陽光の作用などで分解し、毎年4%減少するとみられていたが、チームの推計では同1%と減少ペースが鈍くなっていた。人間の知恵や科学の限界がここにあり、気候変動については、その限界を探るところまでにも至っていないのだろう。基礎のヒビの拡大を止める方策は見つからないかもしれない。