効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

宇宙太陽光発電

日経新聞の報道を引用すると、『経済産業省は宇宙空間で太陽光発電した電力を地上に送る「宇宙太陽光発電」の開発支援に乗り出す。宇宙空間に広げた太陽光パネルで発電し、地球に送る構想。設備の小型化など実現には課題が多く、今夏から送電に使うアンテナの軽量化などの研究に資金を投じる。年度内に実用化に向けた工程表もつくる。』 宇宙太陽光発電は地上3万6000キロメートルの静止軌道上の人工衛星に巨大な太陽光パネルを設置し、そこで発電した電力をマイクロ波に換えて地上に送り、地上で再び電力に変換して送電する仕組みだが、この構想は20年ほど前から検討されながら技術的、コスト的に妥当性が出てこなかった。そこで、電波を送るアンテナの重さを100分の1に軽量化し、厚さも10分の1程度に、電力を電波に変換する半導体の効率も現在の70%から80%に高める計画だという。こうした技術開発に取り組む企業や研究機関を8月中に公募で選定し、9月から3年間の計画で支援するのに年間2億5000万円程度の助成金を用意するという。打ち上げに必要なコストはどうするのだろう。
これだけのお金をもっと緊急性のあるプロジェクトに使えないのだろうか。風力発電を更に導入できるような送電線の増強、地域で急増する太陽光発電を使い切れない配電線制御の切り替えなどをすれば、化石燃料の消費削減が数年で大きな効果を上げるはずだ。マイクロ波送電による予想しない被害もあるかもしれない。マイクロ波を受けて発電しても、それを送る送電線が十分でなければまた投資が必要となる。夢を追うことも必要な時があるが、今は現実解を早く実現させるのに資金を使うべきだろう。