7月15日に「東北3地域に風力拡大へ経産省が系統増強支援」と題した日記を書いたのについて、コメントを戴いた。「記事中3つのエリアに近いところに家があり、再生可能エネルギー全般を応援しておりますが、実際に近くに送電線ができるとなると、正直嫌です。」ということだが、これはよくNot in my backyard・自分の裏庭には困る、と言われていることだと思う。再生可能エネルギーには好意的であるけれども、その増強に必要は高圧送電線が近くを通ることには反対するというのは、いまの社会ではよく見られること。何らかの形で風力発電からの電気を遠方へ送るために送電線が不可欠であることも理解しておられるのだとは思う。その中に送電線の地中埋設が述べられているが、架空送電線設置よりコストがかかるということは直感的に分かるものの、その電磁波による健康被害、景観の損傷などといった社会的コストも含めたコスト比較ができる数字をこれまで見たことがない。これからの大型風力発電設備は沿海部に建設されることが多いので、日頃から直流高圧送電線を海底に敷設することを主張しているのですが、コストがかかりすぎるということで歯牙にもかけて貰えないのは残念。欧米ではかなり実用的に行われているのだが。時間はかかるが、地球温暖化阻止には日本としてもこのようなプロジェクトを推進するのにお金をかける必要がある。しかし、コメントのような主張にどう対応するか、難しいところだなと改めて実感した次第。ドイツでも架空高圧線敷設には地元の反対が強くて実現が危ぶまれている。