効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力10社、送配電システム統一へ

電力10社は、全面自由化が実施される2016年にも電力の使用状況や停電など送配電の情報を管理するシステムを統一するという報道記事を見て、日本の電力会社の地域独占を改めて認識した。各電力会社で独自性のあるシステムを運用しなければならない分野は少ないはずだが、それぞれ単独にシステム設計をし、運用してきたようだ。系列のシステム開発会社に依頼するという形をとっていたのだろうが、日本全体で見るとコストアップ要因となっていたはずだ。全国でシステムが統一されれば、新規参入する企業は売電に必要な情報を得る際に地域ごとに別々のシステムを用意せずに済み、全国展開がしやすくなると報じられているが、新規参入を基本的に嫌う既存の10社は、新規参入をしにくくなるようなシステムを作り上げるかもしれない。
経済産業省が23日に開く総合資源エネルギー調査会の作業部会で、発電や売電にかかわる企業による「広域的運営推進機関」の準備組織が発表されるが、この機関は、全国規模で電力融通する司令塔として来年4月に発足する。新規参入企業も既存の10社と同じように送配電情報システムを利用できるようにするのは言うほど簡単なことではないように思える。この推進機関がどれほど強い権限を持つか、その内容を見るまでは安心できない。家庭用も含めた個別契約情報を開示するのもどこまで短期間でできるだろうか。