効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

系統用蓄電システム

蓄電池技術をもつソニーが、カナダ最大の電力会社、ハイドロ・ケベック社と電力系統用大規模蓄電システムの合弁会社エスタリオン・テクノロジーズ」を設立したと報じられている。新会社では、ソニーが持つオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池、拡張性の高い蓄電モジュールシステムの制御技術、ハイドロ・ケベック社の電力系統の運用・制御技術、リチウムイオン電池材料技術を活用するということだが、この電力系統の運用分野では北米全体を通じてこのハイドロ・ケベックは広汎な優れた技術を持っている。蓄電池は設置すれば簡単に系統の品質が向上するようなイメージもあるようだが、実際には蓄電池自体の制御と系統の制御をマッチさせるのはかなり難しいことだと聞く。日本でも蓄電池で系統制御を強化しようとする実証試験も行われているが、欧米では出力が変動する自然エネルギーの導入が限界に来て、何らかの形の蓄電をできるだけ早く系統に取り入れざるを得なくなっている。日本も今後の原発の再稼働がどうなるかにも関わるが、足下に火が迫っていることは確かだ。その火を収めるためにも、日本の企業が持つ蓄電池技術を育てなくてはならないが、ソニーはそんな悠長なことでは競争に負けると判断したのだろう。良いパートナー企業を選んだものだと思う。