効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国の洋上風力発電

ウエブで検索していたら、「洋上風力で発電大国を目指す英国」というタイトルの日経の記事(2011/2/7)にぶつかった。英国が洋上風力発電の具体化で世界の先頭を切っているというのは知っていたが、この記事には具体的な数字がうまくまとめられていた。英国の洋上風力発電プロジェクトは2001年から始まっている。そして、2020年までに7000基以上の洋上風力タービン(風車)を設置する計画で、英国の全消費電力の3分の1を賄い、世界中の風力発電企業の研究施設や製造拠点を集積させ、一大産業に発展させることを狙うという。既に最終段階のプロジェクトの入札が済んでいるから、ほぼ実現するということだろう。沿岸部大陸棚が王室の所有であるために、認可が下りやすいし、遠浅であるために設置が比較的やりやすいという利点もある。開発者である発電事業者が王室の資産管理組織に区域のリース料を支払って、洋上の風力発電事業を行う仕組みとなっている。完成時の発電規模は47GW(4,700万キロワット)。設備利用率を勘案しても21基分の原発に相当する。いま取り組まれているプロジェクトは、海岸周辺の景観や住民などへの配慮から100k〜300km以上離れている。これには、スイスの大手重電メーカーであるABB社が、通常の交流送電ではなくHVDC(直流高圧送電)を用いることで、ノルウェーからオランダの海底580kmに700MW(70万キロワット)の電力を、送電損失5%以下で送ることに成功したという技術開発も反映されることになるだろう。
最近、英国が原発の開発にも力を入れるという記事も読んだ。地球温暖化対応とエネルギー自給率の向上のためだそうだが、電力需要はそれほど伸びるのだろうか。