米国カリフォルニア州のシリコンバレーに本拠を置くBloom Energy社とソフトバンク・パワーマネジメント社が50%ずつ出資して2013年5月にBloom Energy Japanを設立したことは以前にここで書いた。その時点ではまだ実機が設置されていなかったが、200kWのSOFC(固体酸化物燃料電池)ユニット一基が11月25日に稼動を開始した。廃熱回収をしない発電専用機だが、発電効率が60%(初期値)だそうだから、通常の火力発電所の平均的な発電効率の2倍近くとなり、送電ロスもない。2014年3月末までに1.8MWを受注するとされ、設立から3年間で30MWの設置を目標としている。
これをソフトバンクの単なる燃料電池プロジェクトと捉えるのは間違いであるかもしれない。日本で再エネの固定価格買取制度が発足するのを機会としてメガソーラー設置計画に乗りだしたが、その設置先を見ると北海道から九州までの広域となっている。また風力発電にも進出して、島根県に設置計画を持っている。これを全部一括りにすると現時点で総規模が289.8MW。再エネ、発電のネットワークの確立を目指しているように思える。これに業務用燃料電池のネットワークが続くのだろう。通信ネットワークを抑えたソフトバンクの孫社長が、電力市場の自由化後をにらんでエネルギーネットワークと通信ネットワークの融合を目論んでいるのではないだろうか。全日本規模の電力流通を、通信ネットワークを使って制御して供給する新しいビジネスを構築するのを狙っているのだと思う。