効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

発送電分離に向けて改正電気事業法成立

改正電気事業法が今日成立。2015年に全国規模で電力需給を調整する「広域系統運用機関」を設立し、16年に電力小売の参入を全面自由化して地域独占をなくすということになっている。系統運用というのは集まって会議をして結論を出すような組織ではなく、電力の需給を見越して発電所を稼動させたり待機させたりする専門的な機能集団になる。15年に機関として設立されるとしても、その前に実際の運用をする人を訓練するだけでも大変な時間が必要だし、第一その人材をどこから手に入れるのだろう。各電力会社の中央給電指令に居る人が参画しないと地域の特性や発電所の特徴も分からないままに運用はできないからだ。災害時などには寸秒を争う系統の制御ができなければ、被害が拡大する可能性もある。また、今まで地域独占だった電力会社間を結ぶ送電系統が全般的に細いから、運用に大きな制約が出るかもしれない。
その一方では、企業が自家発電した電気を離れたところにある自社工場などで使いやすくするため、大手電力会社が送配電網を貸し出すよう義務付けるというが、これまで電力会社は自分で制御しやすいものだけを受け入れてきただけに、運用の難しさがあるように思う。だが、電力市場自由化に向けた一歩を具体的に踏み出したことは間違いない。円滑な転換ができることを願う他はない。
戦後日本発送電という一体組織を今のような形に分離した時には混乱がなかったのだろうか。