効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エジプト政変とエネルギー価格

シリアを源とする中東地域の政情不安定に、エジプトの政変が加わった。エジプト軍が3日夜(日本時間4日未明)、国内の混乱収拾のため、モルシ氏の大統領権限を奪い、身柄拘束に踏み切った後も、同国の混乱長期化は避けられない情勢だという。民主主義の原則に従って大統領選挙が行われてから約1年。これほど早く混乱が始まるとは予想していなかった。やはり、基本的に相容れることがない心情をもつ宗派や民族の違いを克服するには、教条的な民主主義制度は無力だったのだろう。力には力をもって対抗するのが当然の世界では、力を実際に行使しないのは裏切りになるに違いない。日本にも民族の相違や宗教の違いがあるが、江戸期以来に多分由来する政治の流れの中で、亀裂的な敵対関係が生まれなかったのは日本人としてありがたいことだ。この論自体にも反論があるかもしれないが。
ともあれ、中東地域の安定性が当面収まりそうにないことを見て、原油価格が高くなりつつある。その傾向が永く続けば、原油価格にリンクしたフォーミュラで計算されるLNGの価格も当然高くなり、今後LNG依存度を高めなければエネルギーの安定的供給ができない日本にとって大きな問題となる。欧州の経済低迷、シェールガスの登場でスポット価格は上がりにくいかもしれないが、原油価格とのリンクをしないそのスポットLNGの量は、当面全体の価格に影響するほどには増えないと思う。これから米国が何らかの形で介入するだろうが、どれほど安定に向けた動きとして実を結ぶか読めないのが実態ではないだろうか。 原油価格の高騰がしばらく続くに違いない。