効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

文珠は死んだ

今日はこれまでで一番暑く感じる日だったが、さらに暑苦しいニュースに接した。敦賀市にある高速増殖炉もんじゅ、の稼動が今日期限を定めずに延期とされた。昨年11月に約1万点の未点検機器があることが発覚したことから、原子力規制委員会は運営主体である日本原子力研究開発機構の管理体制が改善されるまで運転を認めない処分を命じる方針だという。高速増殖炉は、ウランとプルトニウムの混合燃料(MOX)を使用して発電するが、消費した量以上の核燃料を生み出すという、ある意味夢のような方式だ。原発推進の将来を担う発電方式として期待されていたが、たとえ安倍内閣原発の再稼働を拡大したとしても、使用済み核燃料から取り出すことになっているプルトニウムの持って行き場が長期的になくなることになる。技術的なトラブルが続発し、このプラントの再稼働は問題視されていたが、まず今回の方針で日本における高速増殖炉の開発は実質的に停止することになるだろう。核燃料サイクル実現の中核的存在だった技術の開発が停まるのだから、長期的な原発依存は諦めざるを得ない。国内に保有するプルトニウムの量が増えることは、原爆への利用を防ごうとする世界の核政策によって認められないからだ。同じような運命を六ヶ所村の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す設備の運転も辿るのではなかろうか。