効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

欧州のシェールガス

報道を見ると、世界的にシェールガスブームが起きているような印象である。ところが、ロンドン・エコノミストによると、欧州では環境に関わる規制も強く,開発を禁じている国も幾つかあるために、実用的な採掘が行われるようになるとしても、米国に数年は遅れるだろうとしている。ウクライナは採掘権をシェルに与えるにあたって高いコストを課したために、シェルはまず埋蔵量がどのくらいあるかを確認することが先であって、リスクが高すぎるとして契約しなかった。これはポーランドエクソンモービルがとった行動と同じである。
これまで探査のために掘られた井戸の数も数えるほどで、米国のように1200ほどもあるのに比べて微々たるものだ。英国は最近シェールガス採取の禁止令を取りやめたが、フランスは禁止しており、オランダやルクセンブルグも探索向けのドリリング着手を延期させた。ドイツは州によっては延期に踏み切っている。東に行くと、チェコブルガリアが禁止しているし、ルーマニアが最近禁止を解除したところだという。
欧州はロシアからのガス依存から脱したいのではあるが、ロシアがシェールガス探索に強く反発し、ガスを供給する周辺諸国にガス代を高くするなどの動きをしている。
シェールガスが欧州で開発が進むかどうか、しばらく様子をみなければならないようだ。