冷蔵庫はどの家庭にもあるもので、昔からその電力消費効率向上が進められてきた。これに従来機種と比較して約16%消費電力量を削減するものを東芝ホームアプライアンスが来年発売されると知った。まだこれだけの効率向上余地があったのかと驚いた。断熱材の見直しや高効率部品などの採用で、定格容積は426リットルのもので年間消費電力量210キロワット時を達成しているという。断熱材は真空断熱材。発熱源となっている電源基盤を冷凍室奥から冷蔵室最上段奥に変更するなどしている。また、冷蔵庫の制御の中で最も電力を消費する霜取りを約4時間先に延ばすことができる「ピークシフト」設定など、節電サポート機能も充実させたのは、これからも続く電力需要のピークを上げないような工夫がなされているということだ。ある意味で冷蔵庫のスマート化だといえる。これは他社も追随するだろう。この例から見ると、効率向上への開発にはまだまだ力が注がれなくてはならないし、それが新商品として売れ行きを伸ばすことになると思われる。
米国の資料で見たのだが、これまで何処にもあるものではなかったゲーム端末やテレビのチャンネル切り替え端末などの電気機器の電力消費が大きくなっていて、このような機器の設置が進むことによって効率化の必要性が高まっているそうだ。これは日本でも同じことだろう。携帯電話の充電器も、おそらくどの家にもあるが、その効率について気にする人は少ない。だがこのような端末が使われる時間は意外に長いことがあるので、効率化の対象を見直す必要があることは確かだ。