効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本と直流送電

東芝が、イタリアとモンテネグロの2国間を結ぶ直流送電(HVDC)システムの建設工事を受注したと知って嬉しかった。国際競争に勝っての結果であることは明らかだからだ。受注したのは両国に建設する変換所の変電設備、土木工事、据え付け工事など一式ということで、変換所の変電設備もあることは、高圧直流の基盤技術を持っていることの証明だ。イタリアのチェパガッティ市とモンテネグロのコトル市を結ぶ約400キロメートルの直流送電システムのうち、東芝グループはそれぞれの国に建設する変換所(名称=イタリア・モンテネグロ変換所)の建設一式を請け負うと発表されている。
一方日本政府が、北海道に風力発電の受け入れ容量を400万キロワットにまで大幅に増加させるために、10年かけてバックアップすると決めた。経産省は、北海道と東北地域の適地の送電網整備を支援する事業を来年度から始める予定で、2013年度概算要求に250億円を盛り込んだ。電力会社と風力発電会社が共同設立する特別目的会社(SPC)の送電網整備事業について、費用の一部を負担するという。全国の風力発電導入量は現在、約250万キロワット。今後、北海道を風力発電の一大基地にするため、その1・6倍の受け入れ量を確保する。それでも世界の設置容量から見て1桁は小さいとも言える。日本での風力発電の発電コストは現在10〜20円程度と、太陽光発電の約半分で済むことから、今後の導入拡大が期待されている。この拡大を受け入れる系統を新設するのだが、この新規送電系統を大規模な高圧直流にできないだろうか。これまで日本企業にどれほど技術があるか分からなかったのだが、競争入札も行って、先端的な直流送電系統に風力発電を接続できるようにしてほしい。送電ロスが少なく,送電線コストも小さく、また同期をとる必要性も小さいから、総合すると経済性も出ることは確かだからだ。