効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北本連系線

北海道電力東北電力を結ぶ連系線の容量はJパワーが保有、運用する60万キロワット。高圧直流海底電線がこのために敷設されているが、このブログでも述べたこともあるように、船の錨に引っかけられて一部が故障したりして、容量が半分になったこともある。最大でも60万キロワットしかないことから、北海道に豊富にある風力を発電に生かすことができない。また、いま泊原発が止まっているために、この冬に向けて需要に対応するのが難しくなるが、本州からの融通もしにくい。
これに30万キロワット追加するということは前にも聞いたことがあるが、この増設分の高圧送電線を青函トンネルの敷設する計画だと報じられた。2013年度中に着工し、20年度の運用開始を目指している。このトンネルの利用については、2010年に書いて11年に改訂した拙著「スマートグリッドの基本と仕組み」(秀和システム)で提言したのだが、具体的な計画となったのは嬉しいことだ。トンネルを管理するのはJR北海道だから、その合意を得る必要がある。
一つ疑問がある。どうして30万キロワットなのか。100万キロワットほどを追加できないか。容量を3倍にするからと云って、設置コストが3倍にはならないだろう。これから長期的に風力発電の設置量を増やすためにも、追加容量は現在あるものの2倍にはしてほしい。これに政府資金が導入されても国益につながるのだから許されるだろう。これまでの計画に引きずられないで、長期的な視点で積極的な追加策を検討してほしい。