効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

建物の換気

建物の換気は、空調、特に冷房に消費される電力消費を大きく左右する。また室内の空気の質を維持するためにも適切な換気をしなければならない。建築設計の世界では、最近まで密閉度を高めて空調をし易くし、換気は強制換気、空調にも大量のエネルギーを使うのが当然という風潮が主流だった。しかし、最近では自然な通風で室内環境を維持しようとする方向が出ている。トステムINAX新日軽・サンウエーブ・TOEX(旧 東洋エクステリア)が一緒になった住宅建設関連企業であるLIXILが、自然換気についての実証実験をして、窓の取付方と開け方によって、10倍の差がでるというレポートを出した。空調に頼らず、自然エネルギーを効率的に活用する住宅設計に適用できる。縦すべり出し窓を利用したウインドキャッチャー効果による換気量を、同効果のない場合と比較したもの。この効果がある窓とその開け方には、「外壁の一つの面内で吊り元の異なる複数の窓を開放し、通風を行う」ことを指す。一方、同効果が得られない窓開け方法は「外壁の一つの面内で吊り元が同一である窓のみを開放する」ものとしている。記事を読んだとき、吊り元とは何のことか全く分からなかったので、ネットで調べてみた。押し開きする窓が窓枠に取り付けられている回転軸のことで、押し手が右側のものと左側のもの、あるいは両サイドに押し開きができるもの、がある。押し手の位置が違う2つなり3つの窓を開けると、同じサイドにある窓を開けるときの換気量より10倍多いということだった。窓は開いていればそれで良しと思っていたから、これには驚かされた。新築は勿論だが、リフォームでもこの手法は取り入れることが可能だ。10倍の差は、大きく空調コスト差として現れる。極めて有効、かつ、コストもあまり変わらない窓設計として普及するのではないだろうか。