効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

NAS電池

日本ガイシが製造販売しているNAS(ナトリウム硫黄)電池が昨年9月に火災を起こした後、原因究明がなされていた。時間がかかっているので致命的なことでもあったかと若干心配していた。この蓄電池は数メガワットクラスという大容量の蓄電に使うもので、これから普及する自然エネルギーの変動抑制や、電力供給能力の不足を補う目的で使えるものだし、同社が東京電力と共同開発した日本独自の技術に基づく商品で、今後世界で開ける市場があると考えられていたからだ。これについて日本ガイシが、発火原因が特定されたと発表した。安全強化対策が確立されたようで、NAS電池工場(愛知県小牧市)の操業を今月から再開する。当面は既設のNAS電池を引き取って改造することを優先し、新規向けの生産は今年度下期の開始を予定している。火災の発端は、システムを構成するモジュール電池40台のうち1台に、製造不良の単電池1本が紛れ込んだことと特定したようだ。不良電池が壊れて高温の溶融物が流出し、溶融物は隣接するブロックに流れ短絡が発生、火災が起こり電池全体に延焼したということだ。対策として、まず単電池間にヒューズを追加して短絡電流による火災を防ぐ。さらにモジュール電池内のブロック間に短絡防止板を設置して、モジュール電池間にも延焼防止板を付ける。これで抜本的な解決ができたのかどうか分からないが、一応の復帰ができたことを評価したい。世界の市場は別にしても、日本の電力供給能力を向上させるために頑張って貰わないといけない。