効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

夏の電力ピーク抑制

政府が電力使用制限令を発動しない方針なのは間違っていないのかもしれない。2010年の7月で日本全体の電力需要がもっとも高かった日の需要曲線を見ると、家庭用の需要のピークは夕方近くにあり、もっとも昼間のピークを押し上げているのはオフィスの空調需要であるという資料を見た。おそらくオフィスを含めた業務用の空調需要がもっともピーク需要を作っているのだろう。産業用は電力需要の伸びがほぼ横這いないしは低下傾向にある。大口の電力使用はフラットな傾向が強いから、ピーク需要抑制のために制限することの意味が少なくなる。節電に努力して貰わないといけないのには変わりはないが、もっともピーク需要の抑制に効果があるのは業務用の空調の設定温度を上げて貰うことだ。それも、前に書いたことがあるように、午前中は設定温度を低めにし、午後から高くするような工夫があれば、ピーク引き下げにもっとも効果があるのではないか。このような設定を自動的に強制する制御がほとんど普及していないから、業務用の需要家が自発的に暑さを我慢するようにすることが、今年の夏の停電を避けるもっとも有効な方策だと確信する。