効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中間貯蔵

今朝の毎日新聞福井県知事が経済産業相との会談後の記者会見で、原発の使用済み燃料について、県内だけでなく関西に中間貯蔵施設を作る必要性があるとの認識を示した、と報じられている。今後に極めて大きな影響を与えるものであるように思える。いま、全国の原発の使用済み核燃料は、一時貯蔵プールに保管されていて、発熱を放置すると暴走するので、水で冷却している。この水循環が止まると福島原発に起きたのと同じことが起きる。一定期間が過ぎると発熱量が少なくなるために、頑丈な箱に詰めて空冷にして保管する。福島第一にはこの中間貯蔵設備があるが、他のところにはなく、全て六ヶ所村で再処理することが想定されているが、再処理プラントはいつ稼動できるかまったく予想が立たないほどのトラブル続き。したがって、いずれ原発内のプールに保管できなくなったら、原発の運転を止めるか、施設外に中間貯蔵設備を作って、温度が下がった使用済み核燃料を保管できるようにしなければならない。毎日新聞によると、関西電力の場合、原発11基のプールの燃料貯蔵量は9,703体(4420トン)で、既にプールの7割程度が埋まっているという。原発の稼動を継続すれば、いずれ満杯になるのだから、溢れないうちに中間貯蔵設備を準備しなくてはならない。福井県知事の発言は、いずれこの設備の設置を要請されると予測してのものだろう。この引き受けで、原発停止により財政が悪化する地元自治体に補助をするのも考えられると以前書いたことがあるが、他県にも責任を分担させようというのは興味のある新しい構想だ。原発からの電力の恩恵を受けるところに広く中間貯蔵設備を作るという主張で、原発の意味を関西全体で考え直させようとしていると理解できる。