効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオミミクリー

今日の朝刊の近畿版に小さく報じられていたものに目が行った。ある西宮の医療機器開発ベンチャーが、痛みを軽減できる樹脂製の採血針を開発したというものだ。他にも同じような注射針があることは知っているが、それは金属製のもの。なるほどと思ったのは、先端を「蚊」の針に似せた形状に加工することで痛み軽減に成功したということだ。痛み軽減針で樹脂製のものは初めてだそうだ。確かに蚊に刺されても痛みを感じることはほとんどない。このことから着想したそうで、針の先端に樹脂の射出成型で蚊の針と同様なギザギザを加工している。樹脂製で焼却できるため、医療機関やゴミ処理施設などでの二次感染も防止できる。自然や生物から学び、真似をすることで、新しい商品や技術を開発するのをバイオミミクリーと一般にいわれる。蚊の針を真似たという結果だけを見ると単純に見えるが、まず蚊に刺されても痛くないのはなぜかと考えたところに大きな発想の転換があると思う。少し前には、蜘蛛の吐き出す糸をより合わせてバイオリンの弦にする技術の開発も報じられていた。蜘蛛の糸の強度はスチールより大きいのに、より合わせるとお互いに隙間を埋めるように変形するという柔軟性も持っている。バイオリンとしての音色も通常の弦と変わらないそうだ。身近なものにバイオミミクリーの実例があることを知るのは楽しいことだ。バイオミミクリーの概念は10数年前にJanine Benyusが出した同名の本で教えて貰ったが、エネルギー効率を上げる秘策もこの概念の発展で得られるようだ。緑の葉っぱで太陽光エネルギーだけを使って澱粉が作られているのだから。