効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

発電コストの増大

今日、関西電力が2012年度の電力供給計画について未定とする報告書を提出すると報じられている。事業始まって以来初めてのことだろう。保有する原発がいつ再稼働するかの時期を見通せないためだ。国の原子力安全委員会が来週にも大飯3、4号機のストレステスト1次評価結果を了承する見通しだが、再稼働にはさらに4閣僚による判断や地元同意を得る必要があるため、それに要する時間が予測できないのだから仕方がないことだろう。関電だけでなく他の電力会社も原発が停まり、その代替として化石燃料、主に天然ガスの使用が急増する。そのため燃料費が上昇して経営は大きな圧迫を受ける。これは緊急避難として仕方がないことだ。ここで念頭に置くべきことは、天然ガス価格が将来下がる可能性もあることだ。米国や豪州などでシェールガスが大量に産出されるということもあるが、いま東アフリカで膨大な天然ガス田が開発されようとしているらしい。そうなると、いまは中東からのLNGに大きく依存する中国やインドにとって、価格面で有利な状況が生まれる。アジアでのLNG価格は、原油価格とリンクしているために世界的に見ても値が高い。これが将来の余剰を見越してそのリンクが外れる可能性もある。これは日本にとっても非常にありがたいことになる。すぐに実現するとは言えないが、天然ガス価格は上がるという前提で議論するのは間違っているのかも知れない。それに加えて、もしいま実証試験中の愛知沖のメタンハイドレート掘削で実用化の可能性が出てくれば、天然ガスの価格が安定なり下がることも長期的には想定できる。東アフリカのガス田については、メジャーが殺到しているそうだから、大量の開発が実現することは確かだ。原発が長期に停まるとすれば、電力価格は上がらざるを得ず、それを前提にした経済になる。その後、天然ガス価格が安定、ないし下がれば、全ての経済運営が安定するだろう。そうなる時期が早く来てほしいものだ。