効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

蓄電機能付き洋上風力発電

今日電気新聞の記事を選択して送ってくれるメールサービスの中に、表題のようなものがあった。まさか大型の蓄電池を設置するはずはないと思って読んだら、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授が提案しているもので、浮体式の洋上風力発電を海底に固定する際に海底に空気の入ったタンクを設置し、それを蓄電装置のように活用するというものだった。記事をそのままコピーすると、「海底にあるタンク開口部には水力タービンが設置されており、洋上で風力が発電できないときにはタンクに海水を流入させることで発電し無風時の出力を安定化させる。タンクに入った海水は、風力タービンでの発電時余剰電力を利用して排出、タンクに再びエネルギーを蓄える。これを繰り返すことで風力発電の大きな課題である出力の波を抑える。」というもの。
なるほどと最初思ったが、途中で海水の圧力を利用するのは、制御がかえって難しいのではないかと感じるようになった。確かに浮体式風力発電設備も、浮体構造が流されないように海底に何らかの方法で固定しなければならない。その固定部分に大きな空気タンクを取り付けて、そこに深海で高い圧力を持つ海水を引き込むときに発電させるというところまでは面白いと思った。ただ、余った風力発電の電力でその海水を排除してやって、再度海水を引き込むためには、中の空気圧を一旦下げてやらなければならない。そのタイミングをどのように設定するか、かなりの発電量予測ができていなければならないだろう。深海では圧力が高いから良いのは最初だけで、海水を押し出したときには空気圧も高くなるから、深海の水圧を利用するメリットを発揮するためには、内部の空気圧をどこかの時点で大気圧にしてやらなければならない。その制御は結構難しそうだし、海水タービンのメンテも難しいだろう。発電余剰分で耐圧能力が高い空気タンクに空気を押し込んで、余剰がなくなった時点でその圧力を利用して空気タービンを回して発電する方が簡単ではないかと思った次第。こちらが考え違いをしているのかもしれないが。