スコットランドの海はいつも波が高い。このエネルギーを使って発電しようという波力発電が実用化されようとしています。このような発電所は、米国の場合、電力会社以外の企業が建設して、発電した電力を電力会社に売るのが普通ですが、英国の場合、電力会社が中核になっているようです。大規模な波力発電建設に取り組むのは、スコティッシュ・パワーやエーオンといった英国の大手電力会社。一基750キロワットのものを積み上げて全体で19万キロワットにしようという計画です。この発電機は、ブイが揺れる動きを油圧シリンダーに伝え、油圧で発電機を回します。ブイ自体は海から少し顔を出すだけですから、風力発電と違って景観を損なう程度は小さいと考えられています。しかし、占有する海面の大きさはかなりのものになるでしょうから、日本であればすぐに漁業との関連で補償問題が起きるでしょう。英国には漁業権の問題はないのでしょうか。漁業権の問題は日本独特のものだと聞いたこともあります。国が違うと、権利の侵害、その補償という問題の取り扱いが大きく異なるのでしょう。
日本でも異なった方式の波力発電のテストが行われていると聞いたことがありますが、このような規模にして系統に接続するまでになるのはいつのことか予想もつきません。英国のこのプロジェクトでは、第一フェーズの運転開始が2014年頃となっています。この結果が良ければ、日本に技術導入して波の荒い北海道に設置するのも一案ですが、なんとか国産技術も育ててほしいものです。