効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国の車燃費規制

いま国債各付けが下落するかもしれない苦境にある米国が、2025年に燃費性能を1ガロンあたり54.5マイル(リッター当たり約23キロメートル)前後という、現行規制の約2倍となる厳しい基準を設定した。環境重視のアピールと、電気自動車の開発導入促進を図るものとされている。オバマ大統領が29日に発表した。今回発表したのは2017年〜25年に対する規制案で、乗用車とトラックが対象となる。自動車メーカーが扱う各車種を販売量で加重平均して算出した燃費が基準を満たす必要がある。当初これより高い目標を自動車業界に打診して激しい反発に遭って若干引き下げた経緯がある。この規制値は、トヨタハイブリッド車プリウス」の現時点でも燃費が1ガロンあたり約50マイルというからどのメーカーにとってもかなり対応が難しいだろう。米国は発電にはそれほど石油は使っていないが、自動車が消費するガソリンや軽油の量を減らすことは、中東からの石油輸入を減らすことになるだけに、安全保障の意味も強い。
日本がこのような燃費目標を具体的に示して自動車メーカーを誘導したことがあるだろうか。自分の記憶にはない。メーカーが出した燃費性能に格付けをして補助金や税金の優遇策を出してはいるが、あくまでトップランナー方式できている。燃費基準については米国の目標を日本の自動車メーカーが輸出で優位に立つために達成しようと努力し、その成果を日本国内に持ち込んだものを日本政府が認定しているのだと思う。自動車に限らず、日本は世界に先駆けて高い目標を示し、その達成を業界に義務づけるということをこれまであまりやってこなかったような気がする。常に業界の意向に沿ってきたのだが、いつまでもそれで良いのだろうか。