効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地域の電力供給インフラ整備

国土交通省の「防災国土づくり委員会」が災害に津ちょい国土政策についての提言をまとめ、地域毎に電力を供給するインフラ整備が必要と強調したそうだ。詳細は分からないが、 提言は大規模な発電所に電力を依存するリスクを指摘し、市町村単位で安定的に電力を供給する手段として蓄電池の設置などを挙げ、さらに国全体でエネルギーを相互利用できるようにするため、送電線の容量拡大による電力融通の強化や、ガスパイプラインの広域整備を求めているようだ。
もっともなことばかりが挙がっているのだが、泥縄式の発想だという印象が強い。市町村単位にというが、誰がその計画を推進するのか分からないし、新たなコストがかかるのを負担するのは誰だろう。ガスパイプラインの広域整備も同じことが言える。もしまともに推進するのであれば、公的な財源がほとんど望めない今、基本は民間が分担することとし、それを促進する法制度を準備する方が早道だろう。分散電源を集中型発電所と対等の位置に置いて、5〜10年ほどで投資が回収できるような制度を準備すれば、建物単位で普及するだろう。その地域だけ電力料金が高くなる可能性もあるが、地域でそれを受け入れる合意があれば実現するかもしれない。
これにはデンマークが推進しているスマートグリッド実証試験が参考になる。地域単位の電力ネットワークを構築し、通常は集中型発電所からの電力供給に依存するが、事あるときには地域を幹線系統から切り離して独立運転(アイランディング)できるようにする制御を開発している。このプロジェクトと日本の地域が連携できるような舞台を準備すれば、面白いものができるのではないかと思う。