効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池販売終了?

家庭用燃料電池エネファーム、販売向けに今年度予算手当てされた補助金が7月初めでなくなってしまったようだ。もともと昨年度より6割多い8千台の販売を想定していたのだが、3ヶ月でそれを達成してしまったのだ。東京ガスは4千台、大阪ガスは1,300台、JXエネルギーは550台だという。事業者は政府に補正予算の手当を頼んでいるらしいが、いまの財政状況と政治の混乱の中ではかなり難しいだろう。
心配なのは、エネファームを買った人が、停電時にも使えると思っているかもしれないということだ。停電が起きないように住宅の節電をするために燃料電池を設置すると考える人はあまりないと思うからだ。来年くらいから停電しても独立運転できる仕様のものが出てくるかもしれないが、蓄電池との組み合わせも必要だろうから、いま270万円ほどの価格(補助金は105万円)はさらに上がることになる。
ここで、補助金という制度の欠点が見えてきた。補助金によって市場の上限が設定されてしまうということだ。もしエネファームフィードインタリフ(固定価格買取制度)が適用されれば、いくら売れても電力会社の買い取り額が増えるだけだ。エネファームは排熱を給湯暖房に使うので、総合エネルギー効率は高い。欧州ではこれにフィードインタリフを適用している国もある。確か韓国もそうだ。
燃料電池に限らず、コージェネレーションが設置されることをこれまで電力会社は喜んではいなかった。しかし、現在の供給力不足の環境では、設置されたコージェネレーションは電力需要を確実に削減してくれるから、電力会社には頼もしい助っ人になるはず。電力会社が補助金を一部出してもよいかもしれない。電力供給構造の大変革が進む前兆かもしれない。