効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

節電

生まれて初めて東京タワーなるものに上って、一番上の特別展望台から下界を眺めた。もっと緑が多いかと思ったが、高層ビルが建ち上がっているのに圧倒されて、案外少ないなという印象。なるほどと思ったのは、こんな都会の真ん中に墓地が多いということだった。寺院が多かったのだろう。上から見ると寺院を形として確認できるところはそれほど多くなく、ビルの間に整然と墓石が並んでいるのが目立つだけ。これは下界にいると気がつかないものだろう。
そして、高いところから見ると、職業病みたいなものだが、ビルの屋上にある空調機の排熱部分を探そうとする習性が顔を出す。東京都が奨励しているせいか、ところどころ屋上緑化しているビルがある。しかし、圧倒的に多いのはずらりと並んだ空調機の室外機だ。同時に感じたのは、この地域を中心にした都心部が消費する電力、特に冷房に使う電力が膨大なものだろうということだ。節電要請を受けて、どのビルもそれなりに努力はしているのだろうが、午前中は標準より低い温度に設定して冷房してビルの壁を冷やしてやり、午後になると設定温度を上げる、あるいは室内換気で我慢するなどすれば、それで削減できる電力は意外に大きいように思う。ビルの壁は大きな蓄熱装置だから、その利用法をもっと教育すべきだろう。この危機的状況をなんとかしのぐには多少の無理はして貰わねばならない。平時であれば、我慢の省エネは邪道であって、普通の生活をしていてもエネルギー消費が削減できる効エネをすべきところだ。しかし、この夏は熱中症にならない程度に堪えなくてはならない。ただし、必要がないのに無理をすることがないように、情報をしっかり届けることも重要だ。
大きなビルには空調管理者がいる。問題は中小のビルだ。行政がこのような建物の空調と電力管理を立ち入り検査するくらいのことはやる必要がある。それができる権限があるのかどうか分からないが、もしないのなら新しい法律なり条令を作ってでもやるべきだ。東京タワーで観光気分が出なかったわけではないが、それに徹することができなかったということ。