効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

熱管理

報道記事をそのままコピーする。『東洋熱工業は8日、冷凍機の冷却水を制御し、エネルギー消費量を大幅に削減する業務用空調機向けシステム「E―SCAT―CT」を発売すると発表した。同社は熱源トータル制御システム「E―SCAT」を展開しているが、最も使用エネルギー削減効果の高い冷却水制御に特化することで、導入コストを低減したもの。節電への関心が高まる情勢に対応して、空調のリニューアル市場を中心に普及拡大を目指す。大型空調向け冷凍機は、冷却水の入力温度を下げると運転効率が上がる。しかし、冷凍機の効率を最大限に高めるために、冷却水ポンプをフル稼働させると、合計の消費電力がかえって増加してしまう可能性がある。「E―SCAT―CT」はこうした課題を解決するもの。外気温や空調負荷などの変化にあわせ、冷凍機と冷却水供給系統の合計使用エネルギーが最小となるよう調整する。1万平方メートルの事務所ビルで、インバーター制御ターボ冷凍機に同システムを付加した場合、約28%使用エネルギーを低減できると試算している。制御のほか、温度や湿度、負荷などの計測・記録機能も持っており、冷却水制御以外の施策にもデータを活用できる。排熱の有効活用や、自然エネルギーの活用などの機能を持つフルセット「E―SCAT」の普及モデルとして位置づけている。価格も従来の1500万円程度から450万円に低減した。7月から販売を開始。リニューアル市場を中心に初年度10件、来年度以降は20〜30件の販売を目指す。』
これで分かるのは、何を目的にして制御を行うかを明確にし、目的の間の優先度を予め定めておくことが重要だということではないか。冷却効率をあげることが最優先されると、それに必要なエネルギーとそのコストに目が向かなくなる。最近優れたセンサーや制御システムが商品化され、かつ価格も下がっている。システムを設計するときに従来の発想にこだわると全体のコストメリットを最大にできないこともある。測定や制御に多少投資しても、オペレーションによる回収は十分可能だということだ。熱に絡む場合、パイピングの設計やポンプの効率もよく見ておかねばならないことも付け加えておこう。