効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風船風力発電

面白い報道記事を見た。「東京農工大学の長坂研准教授は未来の風車として、ジェット気流に風車を浮かせて発電する「風船型風車」の開発を進めている。風車と送電線ワイヤ内にヘリウムガスを入れ、風船のように浮かせる仕組み。地上300〜千メートルでは毎秒約50メートルの風が安定して吹いており、出力変動の少ない電力を年間を通して安定して得られるという。今年度中に出力1キロワットの風車を地上20〜30メートルに浮かせて実験し、3〜5年後をめどに100キロワット規模の風車をジェット気流まで浮かせる計画。将来的には数百キロワット規模の風船型風車の実現を目指す。」というもの。
100キロワット規模が目標だとすれば、それぞれに送電線を地上まで下ろすのはコスト的に合わないだろう。束ねて数千キロワットになるようにして、その中心から送電線を下ろしてやればよいが、もし陸上に揚げるとするとかなり高い距離の上空にロープでつないで揚げなければならないかもしれない。下から気にならない程度に小さくなるとすれば、陸上設置もできるかも。景観を考えればどうしても海上に揚げることになるから、海底電線を利用することになるので交流では損失が出てしまう。直流にするほうが良いだろう。この程度の出力規模であれば、交直変換の設備コストは大きくないはず。
設置コストも従来の風車と比べて抑えられるそうだ。出力0・5キロワット級の従来風車は設置に30万円程度かかるのに対し、風船型だと出力1キロワット級を20万円以下で製造できるという。実現のカギを握るのは、風車の重量を極限まで軽くした上で構造体の強度や耐久性を高めることと、ジェット気流の中で安定を保つこという。台風が来たときには下ろして格納できるスペースも考えないといけないから、やはり海上になるのかな。脱炭素社会に向けては、何でも試してみることだ。