効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中部電力浜岡原発

非常に唐突な感じがするが、政府は中部電力に対して浜岡原発の原子炉を全て停止することを要請した。政府には停止を命令する権限はないそうだから、要請に対して中部電力がどのように動くかによって決まる。これから夏に入って電力需要は上昇していく。定期点検中の3号機を再開させようとしていた矢先だ。ここには5基の炉があったが、1と2号炉は廃炉にすることが決まっている。耐震性を向上させるには投資額が大きすぎたからだ。そして、残りの3基についても津波対策を検討していたのだが、この地域に大地震が起きる可能性がきわめて高いという理由での全停要請だ。中部としては、何とか要請に応えるが、この夏を乗り切るまでは待ってほしいと言いたいところだろう。しかし、菅首相はここで妥協してもし地震が本当に起きたらという気持ちに違いない。少し時間をかけた説得が必要だと思うが、中部電力としては受けざるを得ないだろう。地元も停止に賛成しているからだ。
こうなると、周波数が同じだから関西電力が夏には融通することが可能だとはいえ、確率の問題として、関電の原発地震やトラブルで止まることもある。そうなると、西日本にある他の電力会社の懐は小さいから、中部と関西の供給力不足を補うことはできない。東日本大震災で東電の発電能力不足だけが問題だったのが、全日本が夏のピーク時に発電能力が不足する事態も予想される。だから、日本全体で電力需要の抑制を強力に推進せざるを得なくなったということだ。コージェネレーションによる発電能力を増やすのも、エンジンメーカーがすぐ生産能力を上げるのは難しい。だから、不足状況を消費者に詳しく知らせて、ピーク電力需要が大きくならないように協力して貰う他はない事態になっている。日本の消費者は協力的だから、昨年よりも電力消費は落ちるだろうが、発電所が予期しない時に停止すると大変な事態になりかねない。菅首相は、浜岡原発をいつまで停止させるつもりだろうか。