効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

世界総人口とエネルギー

国連がこの10月末には世界の総人口が70億人を突破するとする見通しを発表した。これまで世界総人口はほぼ12年間で10億人のペースで増加。2025年には80億人に達すると推定している。だが、その後は人口増のペースが減速。100億人突破は2083年になるとの見通しも示した。この人口増はほとんどが発展途上国で見られるもの。国別では中国は2030年前後に人口のピークを迎え、その数は約14億人になると推計する一方、インドは2060年前後、約17億人まで伸びるとしている。この他に、おそらくこれからアフリカ、南米でも人口は大きく伸びるだろう。そうなると、この辺りでのエネルギー消費は猛烈な勢いで伸びていく。いま一人あたりのエネルギー消費量は先進国に比べて非常に少ないが、これも所得の増加とともに増加する。それに人口増を掛け合わせると、消費されるエネルギー総量の伸びは人口の伸び率をはるかに上回るだろう。これを化石燃料でまかなっていれば地球温暖化は防止できない。何らかの形で再生可能エネルギーがこの地域でも利用されるような仕組みが工夫されなくてはならないだろう。
一方、北極評議会は、今世紀末には海面が1.6メートル上昇するとの予測をしている。地球温暖化のために北極やグリーンランドの氷の融解が進むからだという。この上昇は従来の予測を大きく上回るものだそうだ。太平洋の島々や米国のフロリダ州、海に面した南アジア諸国など海抜が低い地域が打撃を受ける。日本に津波が与える影響も大きくなるため、堤防のかさ上げなども広く実施されなくてはならないだろう。IPCCが07年に出した予測では0.18〜0.59メートルとなっていた。これは主に海水温上昇に伴う海水の膨張を原因として出した数字だという。現在は北極の海氷は一年中あるが、国連の報告書は、30〜40年以内に夏に海氷はなくなると予測。白い氷に比べ太陽熱を吸収しやすい土地や海の面積が増え、温暖化がさらに進みやすくなると指摘している。地球環境が人間だけでなく生物一般がこれまでの活動を維持できなくなる時代が予想以上に早く来るということだ。想定外ではなく、想定されるが防止策で決定的なものがないということ。