効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

産業用燃料電池

富士電機が産業用の大型燃料電池のニューモデルを発売した。従来のものより価格を半分にしたそうだ。病院やビル、工場などに売り込むとあるが、ここにホテルやプールがある運動施設などは入らないのだろうか。東日本大震災や電力不足の影響で自家発の需要が高まっていることに対応する。新型燃料電池の出力は100キロワットで、導入費用は約8000万円。排熱処理装置などの周辺機器と一体構造にしたことで、小型化と低価格化を実現した。従来のものも100キロワットだから、リン酸型のものだろう。セルスタックを10年使用できるまで寿命を長くすることに成功したのだろうか。これまで主に下水処理場でメタンを作って稼動させるのに多く納入されていたが、これは公的な設備であるのがほとんどなので、予算さえ確保できれば設置できたのだが、病院やビルとなるとコストパーフォーマンスが良くなければなかなか買ってはくれない。原発事故で停電の可能性がある中で需要が高まっているとはいえ、事業用に向けての市場を確保するために価格を半分にしたのは、かなり思い切ったものだ。徹底して部品コストを削減したのだろう。
このような新技術エネルギー機器の普及を図るためには、欧州で行われているような固定価格買い取り制度の対象にすることが不可欠だ。現在再生可能エネルギーを使った電源にはこの制度が全面的に取り入れられる予定になっているが、燃料電池もその対象になってほしい。そして、取り付け先の電力需要が少ないときには、余剰分を電力会社に売ることができ量な制度設計がほしい。その制度も供給力が不足している関東、東北だけではなく、日本全体に対して取り入れるべきだ。そうしないと燃料電池のように総合エネルギー効率が高い、言い換えれば、化石燃料の消費をすくなくできるエネルギー機器の利用を一般化することはなかなか難しいだろう。まだ価格がたかいからだ。今回の価格の場合、どれほどのインセンティブが必要か、一度計算してみたい。