マイクロソフトが自社のOSを使っているコンピュータの電力消費をピーク時に抑制したり、バッテリーでの駆動に切り替えたりする制御プログラムを無料で配布すると知って、なるほどと思った。PCはほとんどがインターネットに接続しているから、いわばリアルタイムで制御できる需要端にある電気機器なのだ。東京電力がピーク電力需要への供給が難しくなるのを、オフィスでの電力消費の大きい部分を占めるPCの稼動を外部からの信号によってコントロールして、もっとも需給が逼迫するときには、そのレベルに応じた信号を送って消費を抑えることもできるだろう。東京電力管内には同社の基本ソフト(OS)を使うパソコンが2455万台あり、全てに導入すれば消費電力を33万キロワット減らせると報じられている。画面の明るさを変えるだけでも、一台あたりの削減量は少なくても、これだけの台数が一斉に対応すれば、電力の削減量が目に見えて下がることは確実だ。同じようなことがテレビでできないだろうか。特にデジタルテレビは双方向通信ができるのだから、その制御プログラムを書き換えて省電力モードにできないか。
この制御を東京電力管内に限る必要は全くない。業務に差し支えない限りという条件で昼間の電力消費を抑えることができれば、発電所の化石燃料消費を大きく抑えることができるはず。地球温暖化対応として全国レベルで適用するべきだ。スマートメーターがなくてもできるスマートグリッドによるエネルギーマネジメントとして実施すればよい。もちろんこれで電力会社の売り上げは落ちるのだが、ピーク用の発電設備に投資をする必要がなくなったり、トランスや配線の発熱が少なくなって寿命が延びる効果もあるのだから、反対しないでほしいもの。これからは売り上げ至上主義は悪だと考えなくてはならない。