今回の大震災と津波で、東日本にあった部品メーカーが大打撃を受けた。また、東京周辺のメーカーも停電で操業が順調に行かず、完成品の納入や品質維持に問題を抱えている。それによって、国内だけでなく海外でも、このような部品を使っているメーカーが生産に大きな支障を来している。日本以外の部品メーカーにシフトするという報道も見受ける。しかし、ここが日本の企業が世界に向けてその優れた対応力を具体的に見せる良い機会だと考えるべきだと思う。
同じ部品を作っているメーカーが海外にあるとしても、同じような災害に遭遇したときに、日本のメーカーが対応したほど早く顧客の要望に応えることは難しいだろうと世界に思わせるような立ち直りを見せるだろうと信じているからだ。この場合、国内でこれまでは厳しく競争していたメーカーが、被害を受けたメーカーへ支援するということもありうる。これを機会にぶったたけではなく、明日の我が身と考えて被害からの立ち直りを側面で助ける事例も聞いている。単に高品質だからとか、他に代替するものがないからということで日本企業と取引するのではなく、何かの異常状態に直面しても負けてしまわない、諦めない、甘えないのが日本の企業だということを評価して取引してもらおう。そのようなメーカーは日本にいくつもあるはず。今回被害を受けて操業に支障が出たのは天災だから仕方がないのは海外の顧客も理解している。対応をどうしようかと悩み、その回復予定を計算しているだろう。その予測をはるかに超えた速度で、これまでと変わらぬ品質のものを提供できるようになってほしい。そうすれば、一時は日本以外へ発注しようと考えていた海外企業も、日本との取引を継続するに違いない。苦難を乗り越えて頑張ってほしい。これからの日本を支えるモデルを生み出してほしい。
