効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

節電も良いことだが

NHKがすごく暗くなっている渋谷の光景を写し、通行人にその暗さについてどう思うかを尋ねていた。みな、安全面の心配はあるが、仕方がないと答えていた。映像でみたものの印象では、見方によれば新しい街のデザインが生まれたのではないかとも言える風景だった。この明るさを通常のものとして平均化し、アクセントをつけることによって安全と景観の上昇をデザインすることは可能だろうし、しなければならないだろう。
ただ、電力供給力が不足している現状から見ると、どの時間帯にも同じように節電をさせるのは良い方法ではない。いまもっとも必要なのは、電力需要がピークになる時間帯に節電を強力にできるシステムを作ることだ。いまから1〜2ヶ月は空調の端境期だから、大きなピーク需要は出にくい。だからこそ東電はここ当分は計画停電はしないと言えるのだ。6月後半にはいるとそうはいかないだろう。ただ夏が近づいたときにもこれまでのような計画停電をするべきではない。産業界は協力してピーク需要が出ないようにしようとしているから、家庭の人たちもピーク時間帯以外の時にはピーク時間帯にできなかったことをするのに電気を使っても良いような指導をするべきだ。東電は、毎日、今日は何時から何時までは節電してほしい、今日は無理な節電はしなくても良いといった情報を出すべきだ。今日東京電力のホームページをみると、震災後しばらくしてできた「電力の使用状況グラフ」に加えて、「4月・5月の需給見通し」の情報を出している。週単位に最大需要想定値と供給力がこれでわかる。現在の供給力は4千万キロワット前後。夏が近づいてこれにどれだけ上乗せできるかが課題だ。まだ稼働を始めていない火力発電もいくつかあるのを、どれほど復帰できるかだ。揚水発電については200万キロワットを供給力として織り込み済みというコメントもついている。揚水発電はもともと原子力発電の電力が余る深夜にその余剰電力で水をダムに戻して昼のピークに流して発電するものだ。しかし、いまは余剰電力を生み出す余裕はないから、本来なら700万キロワットほどある揚水発電能力を発揮できないのだ。
みんながピーク時に最大の節電をして、そのほかの時間帯にはそこそこの節電努力をするようなメリハリの効いた方法をPRすべきだろう。