効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

節電

東京電力管内で節電が効果を見せているようだ。東京電力が今回の供給力不足の事態になってからホームページに立ち上げた電力使用状況グラフを見ると、明らかにピーク時の需要が昨年に比べて下がっていることが分かる。気温が少し上がって電気空調機での暖房の利用が下がったということもあるだろうが、市民が電気の使用を抑えるよう努力しているからであることは確実だと思う。本日のピーク供給能力が3,950万キロワットであるのに対して、ピーク需要が出ると予想されている18時段階で3,400万キロワットほどだ。昨年は3,900万キロワットほどが出ている。気温だけで500万キロワットもの差はでないだろう。
これからしばらくは空調需要が出ないから良いが、6月にはいると避けられないのがビルの空調だ。最新のものは別にして、古いビルの空調は制御が非常に大まかになっている。これに少し新しい制御を入れてやると、空調に必要な電力を大きく引き下げることができるはずだ。いわゆるBEMS、ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム、をビルのオーナー協会などが率先して導入を推奨すれば、電力需要を大きく引き下げできることは確実だ。空調の専門家をビルに派遣して、空調の温度管理区分がどうなっているか、それを暫定的にでも良いから変更できないかチェックするべきだ。特に、計画停電の対象になっていない地域はビルが多い。ここを対象として集中的にエネルギー監査を行うべきだ。それもやみくもに設定温度を上げるだけではなく、本当に冷房が必要な所だけに冷風が行くようにし、他のところは換気にだけ電気を使うような方式に分離できないかもチェックする。通常のビル管理では考えられないのだが、非常事態として強制までしてもよいだろう。一般家庭の節電も勿論必要だが、それ以上にオフィスビルの空調負荷を抑制する手法をきめ細かいものにする効果は大きいはず。ビルによってどれだけ対処できるかは大きく異なるかも知れないが、まず全てのビルをこの2ヶ月ほどの間にチェックし、管理者への教育・指導をすべきだと思う。