効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

福島原発とロボット

NHKロボットコンテストを見るのが好きだ。また、人間ロボットをホンダなどが開発している。災害用探索ロボットが稼動しているのも見たことがある。だから、日本はロボット先進国だと思っていた。ところが、福島原発Iの現場では、内部を見るのにもロボットが使われた形跡はない。そして、米国やフランスから作業ロボットが提供されるということが報じられている。日本の電力業界は、原子炉が正常に稼動していても放射線量が高いために人間が近づけない場所があるというのに、これまでロボットを使うことを全く考えていなかったのだろう。実に情けない話だ。
そして、津波で携帯放射線測定器が多く破壊されたために、いま現場で作業している500人位の人全てに測定器を携帯させていなかったという。グループ毎に測定器を一台で放射線量を見ていたと報じられている。他の原発にある測定器を持ってくることは考えていなかったらしい。これでは作業員を使い捨てと同じ扱いにしている。測定器での数字ではなく、何か身体の異常が出たら交代させると言うことだからだ。現場で刻々の放射線量を測定することも必要だが、前にも書いたように、一人一人がどれだけの量をこれまでに受けたかの蓄積量を知らなければ、後になって白血病や癌になる限界量を超えてしまうかも知れない。一人一人が蓄積量を知ることができるバッジを携帯しているだろうか。
今回のことに限らず、日本はどうも安全神話に酔わされて現実が見えていなかったのではないか。ずっと前にカリフォルニアで大地震が起きて高速道路が倒壊した現場を見た日本の高速道路専門家が、日本ではこのようなことはあり得ないと言ったそうだ。ところが、阪神淡路大震災で高速道路が同じように倒壊した。その時の日本側が理由として言ったのが「想定外だった」というものだったという。今回の福島原発の事故も「想定外」だと言われている。想定していた内容を公開して貰うことが、今後のためにも必要だろう。