効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

直流連系線

 今日の電気新聞のメール情報で、北海道電力が本土との間にある本支連系線の増強が必要と考えていると知った。この連系線はJパワーが運用しているものだが、現在は60万キロワット。具体的な増強量は示されていないが、北海道電力の目的は保有している泊原発が止まったときに本土から支援供給を得るためということかもしれない。規模も重要だが、完成までどれ位の時間がかかるかにも関心がある。この情報次第で、電気の周波数が違う地域をつなぐ周波数変換設備100万キロワットの増強についても予測がつけられるだろう。
関西電力四国電力の間には、140万キロワットの25万ボルト高圧直流連系線が、紀伊水道の海底に設置されている。平成12年運用開始で着工から5年を要している。耐圧50万ボルトに設計されているから、昇圧すると280万キロワットにまで容量を上げることができるとWikipediaにある。
本支連系を増強するなら、200〜300万キロワットはほしい。その目的は、北海道に豊富に存在する風力で発電する量を大きく増やすためだ。現在は、北海道電力の総発電設備規模が826万キロワットだから、変動する風力発電を受け入れることができるのはせいぜい80万キロワット程度しかない。原子力発電は稼動を変動させることができないので、もっと少ないだろう。泊原発3号機が2009年12月から稼動していることもあるのだろうが、LNG火力発電所50万キロワットを新設する計画も発表している。LNG火力は出力を早く変動させることができるから、風力発電の変動を抑制することもできる。もし本支連系線が300万キロワットほどあれば、北海道の風力発電からの電力を東京電力に送ることができる。福島原発が稼動できないためにCO2の排出比率が増える東京電力にとって、北海道からCO2の出ない電力を入手できるのは有り難いはず。北海道電力にとっても、泊原発が何かの原因で長期停止になれば、本土からの支援を得ることもできる。ただ、東北電力の発電規模は小さいし、東京電力が発電能力を十分持つまでには数年以上はかかるだろうから、当面は風力発電東京電力を支援する機能を果たすべきものだろう。風力発電設備は場所が選定されれば2年ほどで運用開始できる。風力発電事業者が進出できるような条件さえ整えれば、日本のエネルギー自給率も上げることができる。今後の展開を見守りたい。