効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

福島原発は大変なことになっているかも

東京電力福島原発第一の1,2,3号機全ての発電用タービン室床面に溜まっている水が強い放射能を帯びていると報じられている。タービン室は原子炉本体がある建屋とは別になっていて、原子炉の高温で水を高圧水蒸気に変え、これをタービン室へ高圧配管で送って蒸気タービンを回して発電する。その後まだ圧力の高い水蒸気は海水を通してある熱交換機(復水器)で冷やされて水に戻り、また原子炉の方に戻っていく。沸騰水型軽水炉と言われるタイプ。
これまで、原子炉内の水蒸気圧力が高くなるのを海水注入で冷やしてきた。圧力が高くなるというのは、少なくともその系に大きな破壊はないからだと思っていた。しかし、この系につながるタービン室に水漏れがあり、それが驚くほどの放射線を出していることが分かったのだ。それも一つの炉ではなく、地震の時に稼動していた1〜3号の3つの炉に附属するタービン室の床全部に高放射能の水があることが分かった。これは、明らかに強烈な地震による震動で、タービンへつながるパイプに亀裂が入るか、制御弁などとの接合部にゆるみができるかして、水が漏れていることを示している。おそらく設計上共通して弱い部分があって、そこに隙間ができて水が漏れている。大きな亀裂ではなく、僅かずつの漏れだろうと推察される。
まずこの漏洩場所を特定しなくてはならないが、放射線量が猛烈に高いから、人が近づいて調べることはできないはず。胃カメラのように何かファイバースコープのような遠隔から見ることができるものを、遠隔操作できる災害ロボットでも使って運び込むしか方法がないかもしれない。何かの方法で場所が特定できたとしても、その漏れを止めるのに人の手で行うことができない可能性も高い。本来ここに流れている水なり水蒸気の放射能は発表されたほど高くないはず。これが高いということは、原子炉内にある核燃料が破損してもれ混んでいるとしか考えられない。
漏れを止めるか漏洩量を少なくするには、原子炉の内部圧力を下げるしかない。炉心の温度を下げて蒸気圧を下げる冷却回路を早く回復させるのだ。消防ポンプを使った水の注入では冷却効果が小さく、今後再度炉心圧力が高くなることも考えられる。燃料棒が破損しているのだから、圧力を逃がすための弁を開けると、外気に高度の放射能物質が放散されることになり、この発電所にも近づけなくなることにもなりかねない。住民の避難区域も拡大されざるを得なくなる。早く炉心冷却装置を動けるようにしてほしいが、部品の多くが破損しているようだからまだ時間がかかるだろう。八方塞がりになってきた。
専門家ではない者の類推だから誤りもあるだろうが、1〜3号炉が危機的状況にあることにほぼ間違いはない。周辺に人が住めなくなる事態にならないことを切に願う。