効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力消費の徹底抑制

現在進行している福島原発での緊急対応が収束しても、東電管内の電力供給能力が大きく不足するという状況はほとんど改善されることはない。いま地震で停まっている火力発電が回復しても、1千万キロワット以上の不足が避けられない。これは他の電力会社からの融通を考慮に入れてもこれだけの数字となる。したがって、この不足に対応するためには、1年以上の時間はかかっても、恒久的に電力消費が少なくなるような方策を実施しなくてはならない。その中でもっとも有効で社会全体として見たコストが安くなるのは、ある効用(たとえば大きな我慢をしなくて済むような冷暖房)を得るために必要な電力量を引き下げる効エネルギー(一般的に言われる省エネルギー)だ。効エネは施策が実施されると、電力消費はその後永劫に下がることになる。これはここで何度も言っていることだが、小さな発電所を組み込んだのと同じなのだ。一軒の家で削減できる電気の量は少ないが、その施策を積極的に取り入れる世帯が増えれば、確実に全体の電力消費は下がる。
具体的には、窓、屋根裏、床下の断熱が極めて有効だ。効率の高い空調機や冷蔵庫、あるいは照明器具に取り替えるのも有効だが、既築住宅に断熱工事をするのがもっとも望ましい。既築住宅で断熱性能の高い建物は少ないし、そのつもりになれば自分でできる部分も多い。これは自分が床下や屋根裏の断熱を一人でやった経験から言える。窓の断熱も、まだできていないところは材料を買ってきてやってみようと思っている。そのような行動を促進するようなインセンティブができれば良いのだが。住宅以外では、オフィスビルと中小工場にも効果が大きい。
それについて友人から断熱効果を高める塗料があるという話を聞いた。その資料を貰ったら日本の技術だ。これまでの断熱塗料というのは、光、特に赤外線を反射する塗料だった。しかし、今日知った塗料は、熱エネルギーを運動エネルギーに変える素材を塗料に混ぜたものだ。運動エネルギーに変わるということは、変換された分だけ赤外線のエネルギーがなくなり、熱さが下がるというわけだ。その特性曲線を見せて貰ったが、信じられないほどの断熱効果がある。これまでの断熱塗料より若干高価であるようだが、その差はすぐに回収できる。アルバー工業から出ている熱交換塗料というもの。これを東電管内で補助金を付けて奨励すれば、特別の技術を必要としないで効率を大きく上げる、すなわち空調負荷を大きく下げることができる。屋上や学校の運動場に塗れば、ヒートアイランドもなくなることも実証ずみ。面白いものが実用化されたものだ。