効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

心情的には分かるが

今朝つぎのようなメールが入った。
■お願い■ 関西電力で働いている友達からのお願いなのですが、本日18時以降関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力関西電力からも送電を行うらしいです。一人が少しの節電をするだけで、関東の方の携帯が充電を出来て情報を得たり、病院にいる方が医療機器を使えるようになり救われます!
関西電力で働いている人なら、このようなことを依頼することはないだろう。電気の備蓄という表現は電気にはあててはまらないし、昨日も書いたように、周波数が異なる東京電力へ応援できる送電量が限られているからだ。しかし、電力系統のことをよく知らない人にとっては自分も協力しようと本気で思うだろう。節電すること自体だけを見れば悪いことではない。ただ、これは多分に心情的なものとなってしまうので、気持ちは分かるものの、このメールを他へ転送することはできない。
政府は節電啓発担当大臣として蓮舫氏を任命したということがあるから、その広報のやり方次第ではこのメールが正しいように見えるものになる可能性もある。日本全体が節電することで火力発電所の燃料消費が少なくなり、これから火力発電に依存せざるを得ない東電が石炭や天然ガスを入手しやすくなるという効果はあるかもしれない。だが、東京電力管内では、絶対的に電力供給能力が不足することは確かだ。原発が復帰することは当面なく、夏のピーク需要に対応することはまず不可能となる。そうなると、敗戦後経験したように、蓄電池で照明を確保したり、空調機が動かせるようなシステムの商品化が見られるかもしれない。これまで消費者が絶対的な信頼を置いてきた電力供給が、これほど脆弱になるという事実を知らされたのだから、系統からの電力供給に頼らないエネルギーシステムが工夫される端緒となる可能性がある。