効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池エクスポ2011

今日は終日東京ビッグサイト燃料電池太陽電池スマートグリッド、エコハウス、蓄電池に関する展示会場に居た。10時半から昼過ぎまでエコハウス・エコビルディングについて基調演説があったのを聞いていて、昨夕楽しい食事を共にした環境・エネルギー専門家二人の話を思い出した。基調講演では、オフィスビルのエネルギー消費を効率化するのに、テナントとビルのオーナーが、効率化で得られるメリットの受け方が異なるので、方策の実施が難しいときがあるという話だったが、まさにその具体例を昨夕教えて貰っていたのだった。
小さな居酒屋で食事をしたのだが、お二人はそのお店の電力・ガスの消費量を綿密に測定して、白熱球の照明を蛍光灯に取り替えるなどしたら、その投資額は数ヶ月で取り返せるという結果が出たそうだ。ところが、この居酒屋はビルのテナントであり、電気代はそのビルの持ち主が一括して払う。その電気代をオーナーが、使用している床面積比率でテナントに割り振って徴収していることが分かった。このお店で電気の消費量を減らしても、そのコスト削減は他のテナントにも振り向けられるので、このお店が投資を回収する時間が大幅に伸びてしまうことになる。そこでこの調査をした人がオーナーにここのデータを示して、電気代が減った分をそのままこの居酒屋に戻すように掛け合ったそうだ。しかし、一般的に行われている建物のオーナーとテナントの契約条件を変更するのは難航したそうだ。最終何とか折り合いをつけて、この居酒屋さんにメリットがほぼ全てはいるようになったそうだが、もし折り合いが付かなければ電力消費の削減策を実施に移すことはできなかっただろう。このようなケースは全国的に見れば無数にあるはず。今日の基調講演でも、同じビルに入っているテナントでも、業態によってエネルギー消費が大きく違うというデータが示されていた。それを床面積比率で払っていると、気づかずして大きな損を続けているところも多いはず。炭酸ガス排出量を減らすために、オーナーとテナントのエネルギー料金支払いの契約について、見直す必要があるだろう。