効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の技術

種子島宇宙センターから大型ロケット「H2B」2号機が成功裏に打ち上げられた。このところ注目を浴びている宇宙航空研究開発機構JAXA)と三菱重工業の快挙だといっても良いだろう。搭載したのは無人輸送機「HTV(愛称・こうのとり)」2号機。H2Bの打ち上げ成功は2009年9月の1号機に続いて2回連続。この無人輸送機は今年6月にも退役する米国のスペースシャトルに代わって、大型物資を国際宇宙ステーションISS)へ運ぶ役割を担うという。今後15年度まで毎年一機ずつ、合計7機を上げることになっている。
この打ち上げが順調にいかなければ、宇宙衛星に対座している宇宙飛行士の命にも関わることになるから、失敗は許されない。といっても機械だから絶対にと言えないだけに、その運用を担当するJAXA三菱重工にとっては大きな重圧がかかることになる。しかし、それをクリアーして信頼感が増せば、これこそ世界のオンリーワン的存在になる。最先端技術の集積であるだけに、単に飛べばよい代物ではない成熟先端技術商品に育てなければならない。これから5日かけて高度400キロメートルを周回する宇宙ステーションに近づいてドッキングする。これも無人輸送機であるだけに遠隔操作に不備があってはならない。考えれば怖いほどのことをやっている。
少し前に小惑星「いとかわ」から表面の微粒子を持ち帰った宇宙ロケット「ハヤブサ」も誇るべき代物。これもJAXAの快挙だった。この微粒子の本格的な分析が22日から大型放射光施設「スプリング8」で始まっている。大きさ0.03〜0.1ミリメートルの粒子約40個を強力なX線による高性能CTにかけるそうだ。スプリング8も世界に誇るべきもの。この分析で宇宙に関する新しい発見が生まれるかもしれない。
日本の誇るべきものは、最先端技術と長い伝統が育てた匠の技。この分野の開発育成に資金を投入して、今後の日本を立て直していかなければならない。TPPを巡って論議が巻き起こっている農業分野でも同じことではないだろうか。