効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

たのもしい若者の姿

今日の毎日新聞朝刊一面に、岡山県倉敷市の県立水島工業高校の生徒と教師たちが、太陽光も利用して飛ぶ超軽量飛行機の開発に挑戦している、と紹介されていた。かなり前に太陽光発電のエネルギーだけで飛ぶ飛行機のことをここで紹介したことがある。それが日本の若者たちの手で実現されるかもしれないということだが、この日本のプロジェクトでは、電気モーターでプロペラを回すが、太陽光エネルギーだけでなく、水素で発電する燃料電池からの電力も使う設計になっている。写真で見るモデルによるとプロペラは一本で、主翼の上に太陽電池を貼り付けるようになっている。太陽電池燃料電池からの電気をリチウムイオン電池に蓄える方式。燃料電池が主力かもしれない。全長6メートル、両翼12メートル、高さ1メートルで重さ180キロの一人乗り。
同校ではこれまでも太陽光で動くボートや自動車を次々と製作しているとのこと。ボートや自動車は止まっても問題はないが、飛行機となると難しさは一桁以上上がるだろう。それに取り組もうと提案したのが小型飛行機の操縦免許を持つ教師、機械科の三宅秀俊教諭(56)だというのに驚き、また納得した。指導者に熱意と自信がなければ、生徒だけでこのような意欲的計画は生まれにくい。教師自身の夢を生徒にぶつけたのだろう。設計は手探りで、三宅教諭が東京の宇宙航空研究開発機構JAXA)に図面を持ち込んでアドバイスを受けたというが、この設計経験は生徒にとってもここでしかできない経験だ。完全な成功に至らなくても人生の大きな宝となるはず。機体は、軽量化のために同校独自の技術を応用して、厚さ0・3ミリの炭素繊維を樹脂で何枚も重ねている。生徒は部品の両端におもりをつり下げて強度を確認しながら翼や胴体を作った。今後、機体各部を動かす装置作りに入る。適当な電気モーターが日本で見つからず、中国製だそうだ。日本のメーカーの協力が得られなかったのだろうか。これは残念なことだ。
12年中の初飛行を目指すというから、車輪が地球を離れて浮き上がるのを期待している。これを見ることができるように長生きしなくてはならない。