効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国の建物

昨日、英国がGreen Dealによって建物のエネルギー消費抑制に取り組むと述べた。1985年から4年間ロンドンに住んでいた経験からいえば、日本よりずっと北に位置している島である英国の建物に断熱工事をするだけで暖房用のエネルギーは大きく削減されるだろう。自分たちの家族が最初に住んだ家は、比較的新しいコンドミニアムだったが、屋根裏にも断熱材が入っていなかったことを思い出した。しかも窓の取付工事がずさんで、あちこちから隙間風が入ってくる。入口も扉の下から風が入る。それでいながら家全体が暖房されているから外に逃げていく熱は大きかっただろう。その当時はまだ地球温暖化など問題になっていなかったから、北海にガス田を持つ英国のガス代は安かったので、熱ロスを気にする人はいなかった。その家の暖房配管で家の中を走っている部分に断熱材が装着されていなかったので、どうしてか建築をやっている人に尋ねたら、その部分の放熱も家の暖房になるから構わないのだという。なるほどと納得したが、最近部屋毎の暖房温度を変えるようになっていると聞くので、室内部分も断熱しないとならないはず。ビルについても、壁は厚くて保温効果はあるが、窓が二重になっているとかガラスが複層になっているものは少なかった。
このような建物環境を思い起こしてみると、英国がとりかかろうとするGreen Dealによる建物の断熱性を高めるための施策がCO2排出を抑制する効果は極めて大きいだろうと納得できる。同じことを日本でやってもコストと削減量のバランスから見て引き合わないだろう。古い建物の断熱工事にエコポイント制度を適用する日本の方式は、日本の風土に適した方策かもしれないと改めて認識させられた。ただ、財政が逼迫しているから、あまり拡充はできないのが問題だろうが。