効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

メタンハイドレート

化石燃料の中で、天然ガスがもっとも燃焼時のCO2排出量が少ない。幸いなことに、確認埋蔵量は石油よりも多い。石炭の埋蔵量は多いが、もっともCO2排出量が多いし、一緒に硫黄や水銀を排出したりするので、できるだけ使用を抑制しなければならない。しかし、新興国のように絶対的なエネルギー需要が急速に増大しているところは、比較的値段の安い石炭は使用せざるを得ない状況にある。ただ、天然ガスの利用によってCO2の排出をできるだけ抑えたいのはどの国も同じであるために、天然ガスの需要はこれからも増大していくだろう。いま非従来型天然ガスであるタイトサンドガス、炭層メタン、シェールガスの生産も行われ、特に近年シェールガスの生産量が増大して、天然ガスの将来について楽観的な評価も出ている。それに加えて、新たにメタンハイドレートが加わるかもしれない。今週参加した勉強会で最近の動向を教わった。
メタンは低温状態で高圧にすると、メタンが水の分子の中に入り込んで固体となる。それがメタンハイドレートと呼ばれているものだ。これは陸上では永久凍土の下に埋蔵しているが、量的には数百メートル以上の深さのある海の底にあるのが多いようだ。その開発が世界的に進められているが、日本列島の周囲、特に和歌山や四国の南側に多くの存在が確認されている。問題はこれを安全かつ安価に採取して、従来からの天然ガスのように使えるようになるかどうかということだ。もし利用できる技術が開発されれば、日本周辺のメタンハイドレートの量は、現在日本が消費している天然ガスの100年分ほどはあると推測されている。
日本では、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムが2016年までに商業化に必要な技術の整備を目指している。今年も新潟沖で採取の実験を行い、実物を取り出すのに成功している。取り出しを連続して行えるかどうかがまだ分からないが、この実用化は資源を持たない日本にとって、喉から手を出したいほどのものだろう。まだ端緒についたばかりの開発だが、何とか実現してほしいものだ。