効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エンドユースの重要さ

今日は京都で開催された環境とビジネスを主題にしたカンファレンスに出席した。午後からずっと椅子に座っているのは苦痛だったが、いろいろ勉強することができた。特に印象深かったのは、地球温暖化対応としてもっとも効果的でコストも安くできるのが、エンドユース、需要端のエネルギー効率を上げることだということを再確認できたということだ。効率の低い家電機器を高効率のものに買い換えるのにお金はかかるが、電気代が安くなるためにその投資が数年で回収できるという事例は珍しくない。いつも使っている部屋の窓ガラスを複層ガラスや二重窓に代えると、実際にどれほど電気代やガス代が安くなったか数字で表すのは難しいが、快適感が高まるだけでもある程度は実感できるだろう。そして需要端で電気エネルギーの消費が減れば、発電所で使う化石燃料の消費が、カロリーベースでいえば消費減の約3倍の相当するものが減ることになることは確かだ。ガス暖房の場合には、ガスを送るのに損失が発生しないから同じカロリー量しか減らないが。この貢献に対してカーボンクレジットを与えようとする動きもあるようだ。
再生可能エネルギーの普及については、日本が採用する促進策が極めて場当たりで、長期的な視点に欠けているということも指摘されていた。これにも同感。いま政府が検討している発電分全量買取制度の導入について、規模の大きい業務用太陽光発電について、来年は補助金が打ち切られるのに買取が開始されるのが1年遅れるという。家庭用の太陽電池について見られた政策の失敗を再度繰り返すことになるのではないか。何を目的として再生可能エネルギー導入を促進するかについて、もっと国民に納得できる説明をしなければ、結局は効果を上げないままに終わってしまうだろう。