効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

興福寺中金堂再建

昨16日、奈良市興福寺で、天平様式で再建される中金堂の立柱法要が営まれた。連れ合いも興福寺さんからのご招待を受けて、その式典に出かけた。こちらは彼女の妹たちが居るので留守番。この中金堂は寺の中心となる建物で、平城京遷都から間もなく建立されたが、過去7回も戦火や落雷などで焼失し、享保17年(1732年)の火災後は仮金堂でしのいできたのだそうだ。興福寺五重塔あたりに行くたびに、だだっ広い広場が気になっていたが、そこにこの建物が造営される。準備はだいぶ前から行われていて、基礎部分はできていた。
この建物を支えるケヤキの太い柱が36本ある。もう日本にはこのように太い丈夫な樹がないようで、全部カメルーンからの輸入。この柱が全部立てられて、立柱槌打の儀が行われ、板を木槌で打って無事完成を祈ったそうだ。この行事にカメルーンから奈良工業高専に留学している学生が参加している。平城京の国際性を今日に引き継いだように感じるものの、これから大きな寺院の造営に国産の材木を中心部に使うことが、素材の入手難から不可能になってくるのかと思うと残念でもある。東大寺の五重の塔も再建計画が具体化されつつあるが、この心柱に国産のものを使うことができるだろうか。国有林にこのような目的で育てられている樹があると聞くが、台湾産の檜を使った例を最近聞いたことがあるから、難しいかもしれない。700人ほどが参列したと報じられているが、連れ合いは能の上演もあった行事を遠くからしか見ることができなかったようだ。
長い式典だったようで、連れ合いが帰ってきたのは日が暮れてから。何か重いものをお土産に貰ったといいながら包みを開けたら、大きな辞書だ。横山紘一氏著の唯識仏教辞典。こちらには無縁のものだが、連れ合いは奈良関係のことを英語に翻訳するときに重宝するかもしれないと有り難がっていた。一人で編纂されたようで、これも中金堂再建を記念する重厚なものとなっている。